薫(くん)風(ぷう)爽(さわ)やかな季(き)節(せつ)を迎(むか)え、
貴(き)社(しゃ)に於(お)かれましては
益(ます)々(ます)ご清(せい)栄(えい)のことと存(ぞん)じます
風(ふう)月(げつ)の
財(さい)も離(はな)れよ
深(ふか)見(み)艸(ぐみ)
東(とう)海(かい)の
小(こ)島(じま)の磯(いそ)の
白(はく)砂(しゃ)に
我(われ)泣(な)き濡(ぬ)れて
蟹(かに)と戯(たわむ)る
君(きみ)や蝶(ちょう)
我(われ)や荘(そう)子(じ)が
夢(ゆめ)心(ごころ)
鷹(たか)の目(め)も
今(いま)や暮(く)れぬと
鳴(な)く鶉(ずら)
秋(あき)風(かぜ)や
藪(やぶ)も畠(はたけ)も
不(ふ)破(わ)の関(せき)
この時(とき)ぎらぎらと眼(め)が眩(くら)むように鏡(かがみ)が光(ひか)った。
曲(まが)玉(たま)がじゃらじゃらと鳴(な)る。
男(おとこ)は口(くち)の中(なか)に籠(こ)り勝(が)ちな、力(ちから)の入(はい)った声(こえ)で、
「六(ろっ)根(こん)清(しょう)浄(じょう)々(六根清浄)々(六根清浄)」といった
行(ゆく)春(はる)や
鳥(とり)啼(な)き魚(うお)の
目(め)は泪(なみだ)